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優しいマッドサイエンティスト - 2015.01.18 Sun

海の深い、深い方へとどんどんと落ちていく。最初は明るいコバルトブルーで、カラフルな熱帯魚に囲まれていたのに、水の色はどんどん濃くなり綺麗な魚も少なくなっていく。ベネチアングラスで出来たシャンデリアのような美しいクラゲが時折姿を見せ、優雅に漂っていたがそれも消え果てた。深海に見えるのは私だけだ。

暗い海中に全裸の私はゆらゆらと漂っている。そんな自分の姿を私は別の視点から見ている。濃紺の背景に真っ白な私の肌がくっきりと浮かび、そのコントラストの美しさに自分で酔っている。

私は自分の片割れを探している。妄想上の双子のきょうだい。死んでしまった恋人。絶縁した親友。夫。息子。愛犬。過去と未来、現実と空想が錯綜し、自分でも誰を求めているのかわからない。

気がつくと真っ白な清潔な研究室にいた。ベッドに寝かされた私を見つめる人物は若いのか年寄りなのかよくわからないが、マッドサイエンティストと言う呼び方かぴったりな風貌の変わった男だった。

「僕がたまたま見つけなかったら、本当に危なかったんたからね!」
小汚い身なりだが、真剣に心配してくれているようだった。

ここは潜水艦の中なのか。それとも深海調査中に助け出され、大学病院のようなところに収容されているのだろうか。

私は海水に濡れておらず、こざっぱりした綿のパジャマを着て清潔なベッドに寝かされている。マッドサイエンティストは眼鏡の奥の優しそうな瞳で私を見つめながら言った。

「混乱してるわよね。自分に何が起こっているのかわからないんだもの。ゆっくりよ、ゆっくり解決していきましょう。」

尾木ママ似の彼の優しい言葉に、蓋をしていた自分の感情がどっとあふれ出て、私は彼にしがみついて小さな子供のように泣きじゃくった。

「私の、私の、もう一人の私を探しているの!!!」
「うんうん、そうだよね。これを見てごらんなさい。」

彼が研究室のカーテンをあけると巨大な水槽が天井までびっしり並べられていた。

「何、これ…。」
水槽に何千、何万個というガシャポンの透明なカプセルのような物がビッシリ詰まっていた。カプセルの中身はよくわからなかったが、全体像は無数の魚卵のようでかなりグロテスクだった。

「海底から採取した様々なもののサンプルなのよ。」
「最近話題の珍しい深海魚とかですか?」
「わたしは海洋学者でも生物学者でもないの。」
「じゃあ、わざわざ海底から何を集めているの?何の研究をしてるっていうの?」

彼は寂しそうに微笑んで言った。
「現在の科学でわかっていることで説明できないことってたくさんあるじゃない?それが私の専門よ。人間の思いや記憶ってどんどん海底に沈んでいくの。私はそれを保存して整理しているのよ。」

信じられなかったが、彼はこう続けた。
「あなたは手放した思いに引きずられて深海までやってきたのよ。」

それが何なのか。誰なのか。わからないが、尾木ママ似のマッドサイエンティストが私のカウンセリングを通じてカプセルを選び、私の問題を解決する手助けをしてくれるそうだ。

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● COMMENT ●

短編小説みたいな、、続きが、、気になります(笑)

ちまちま子さん、コメントありがとうございます。この後、場面は田舎の実家へと移りました。家族総出で断捨離をしているのですが、父親と姉と大喧嘩をする夢でした。夢なので小説のようにはいきませんね~(^_^.)

不思議な夢ですね。もう1人の自分というのは、心の中に潜む別の人格なのかもしれません。
なんだか、心理学者が喜びそうな夢ですね。

むぅにぃさん、コメントありがとうございます。心理学者による夢の分析、受けてみたいですが怖いです。変人扱いされそうで(笑)


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プロフィール

ハヲルチア

Author:ハヲルチア
40歳で出産、老体にムチを打ちながら小さな息子と格闘中。現在派遣社員で翻訳の仕事をしています。主婦のつまらないひとりごと、奇妙な夢の記録、時々読書感想文、大好きなアートの話など―。

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