FC2ブログ
topimage

2019-01

スポンサーサイト - --.--.-- --

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

よみがえるブラック企業の思い出 - 2014.08.29 Fri

ゴールデンウィーク前に社員数が20人にも満たない小さな会社に中途入社した。オフィスは廃校になった学校の中にあった。メインのオフィスは元々教室だった部屋で、社長もそこで働いている。私は何かクリエイティブな職についており、廊下を挟んだ教室よりはやや小さな部屋で、他の女性二人と働くことになった。

私の歓迎会を連休前と連休明けの二回に分けて行うから、スケジュールを空けておくようにと上司に言われた。何故二回もしてくれるの?と同僚に聞くと、社長が宴会好きだからとのことだった。

歓迎会は広いステージのある昔の巨大キャバレーのような店だった。カラオケはそのステージで歌っても良いらしい。宴たけなわになった頃、主役の私が歌うことになった。ここは十八番の鬼束ちひろの「月光」を熱唱し皆の注目を集めることにした。しかし声がかすれて高い音が出ず満足に歌えない。社長以下、下手くそなくせによくそんな難易度の高い曲を選んだな、という目で皆が私を見ていた。これみよがしに、仕事もあんまりできないんじゃないの、とか子供産んだ女は声が悪くなるね、などと聞こえるように言う人もいた。

職場には、旧式のタイムカードの機械があった。ちゃんと勤務時間を管理しているから、零細企業でも残業代を払ってくれるのかな…。しかしそうではなさそうだ。まず、定時になり自分の仕事が終わっても先に帰ってはいけない雰囲気だった。同僚2人が仕事を終え、部屋を閉めるとメインオフィスに行き社長に帰ってもいいか聞いてからでないと退社できないのだ。そして毎日、社長以下全員が同じ時間に順番にガシャンガシャンとタイムカードを押し、会社を後にするのであった。タイムカードの意味ねぇだろ。ていうか、残業代出す気さらさらねえだろうよ。心の中で悪態をつきながら諦めの境地というか、投げやりな気持ちになっていた―

地味にリアルな夢だった。私が若い頃勤めていた会社も小規模でワンマン社長の、今で言うところのブラック企業に近いものがあった。私が大学入学前にバブルははじけ、卒業する頃は氷河期に突入していた。地方出身で三流どころか五流大卒の私に世間の風は冷たかった。就職何とかなるやろ、と甘く見過ぎていたのだ。

それでも正社員の仕事にありつけ、都会に残れただけでもまだマシな方だったのかもしれない。だが、零細企業での職務は多忙を極め、閉鎖的で少人数の職場での人間関係は逃げ場がなく私は神経をすり減らしていった。20代の終わりから若白髪が目立ち始め、イライラが募り煙草が手放せなくなった。残業代出ない、ボーナス出ない、有給使えないと三拍子そろった職場で希望を見出すのを難しかった。幸い私の夫は安定した企業に勤めており、彼がメインの稼ぎ手となってくれるので私は正社員の肩書に固執する事をやめた。

その後派遣社員として中堅、大企業の数社で仕事をさせてもらった。まともな会社にはまともな人間が多いのだなと思った。行く先々で、社員さんに「うちの会社って変わってるでしょう」「仕事きつくて大変でしょう」とよく言われたが昔の職場のことを思えば天国のようなものだった。勤めていた時は嫌でしようがなかったが、スピード、マルチタスクの進め方、イレギュラーな仕事への対応、変人への免疫など色んな武器を知らぬ間に手に入れることが出来たように思う。若い頃の苦労は買ってでもしろというのはあながち嘘ではないのかもしれない。

近年ブラック企業に勤めていたり正規雇用につけず精神を病む若者が多いと聞く。どうか希望を捨てずにいてほしいと願う。私の息子が成人する頃日本経済はどうなっているのだろう。泣きやまぬ息子を腕に抱きながら思う一日であった。


にほんブログ村 その他日記ブログ 見た夢へ
にほんブログ村
スポンサーサイト

● COMMENT ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://haworthiaobtusa.blog.fc2.com/tb.php/13-c3e847e0
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

バルテュス展に行ってきた  «  | BLOG TOP |  » チュッパチャップスツリーとモラルハラスメント

プロフィール

ハヲルチア

Author:ハヲルチア
40歳で出産、老体にムチを打ちながら小さな息子と格闘中。現在派遣社員で翻訳の仕事をしています。主婦のつまらないひとりごと、奇妙な夢の記録、時々読書感想文、大好きなアートの話など―。

フリーエリア

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。