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エドワード・ゴーリー展 - 2016.04.25 Mon

特にエドワード・ゴーリーのファンと言うわけではないが、『うろんな客』は大好きな絵本の一つだ。不気味であるが可愛いと言えなくもない、得体の知れない生き物とシンプルでエッジの効いた文章の組み合わせが最高だし、柴田元幸氏の華麗な和訳も素敵だ。

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他の作品も繊細なペン画と、美しい文字、オシャレなデザインの装丁が素晴らしい。ただ本の内容が……救い用の無い不幸な話であったり、全くもって意味がわからなかったりする。(意味を求めることに意味があるのかどうかも分からない。)故に私はエドワード・ゴーリーの事を冷たいナルシストのような、あるいはモンスターのような芸術家なのだと漠然と思っていた。私が彼に惹かれていたのは表面的なスタイリッシュさだけである。

『おぞましい二人』という作品がある。イギリスで実際に起こったカップルによる殺人事件をモチーフに書かれたものであり、出版当時は非難にさらされ本は返品の山となったのだそうだ。私もこの本の存在を知った時、この許しがたい事件のことを絵本にするなんて、やはりこの人は狂気じみた人間なのだと思ったのだ。

しかし、原画の横に添えられた説明を見て私は心を揺さぶられた。ゴーリー自身はこの事件に動揺し、作品にして吐き出さずにはいられなかったのだそうだ。

何故、子供が犠牲になる事件が毎日起こるのか。不幸な生い立ちの子供は大人になり、次の世代の子供を不幸にする。不幸の連鎖は止まらない。

世の中は不安なもの、暴力的なもので満ち溢れている。話は逸れるが地震だってそうだ。突然やってくる不幸に対して人間にはなす術もない。そういった暗鬱な人間の心の闇を絵本に描こうと思ったのだろうか。『おぞましい二人』の一文が忘れられない。「5歳のとき、彼は一生治ることのない風邪をひいた。」この風邪とは何を意味しているのだろうか。一生心に抱える闇のことなのだろうか。

この展覧会で日本初公開となる、ゴーリーの絵手紙を見た。彼が若い頃に母親に宛てたものだそうだ。やはり陰鬱さはあるのだが、字体や繊細なイラストが素晴らしい。送り先が母親という特別な存在だからこそ描けた絵手紙なのだろう。

こちらで素敵な絵手紙がご覧になれます。
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MOE特別編集 エドワード・ゴーリーの優雅な秘密 (白泉社ムック)

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● COMMENT ●

ゴーリー、私はあまり暗さを感じないで読んでいたのですがハヲルチアさんの記事を読んで何か腑に落ちました。

本、買っちゃいました(笑)

ちま子さん、コメントありがとうございました。
購入されたのは、上記のMOEでしょうか。
これ、かなり見応えありました。


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プロフィール

ハヲルチア

Author:ハヲルチア
40歳で出産、老体にムチを打ちながら小さな息子と格闘中。現在派遣社員で翻訳の仕事をしています。主婦のつまらないひとりごと、奇妙な夢の記録、時々読書感想文、大好きなアートの話など―。

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