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囚人船 - 2015.12.14 Mon

外国籍の大きな貨物船が次々と目の前を通り過ぎて行く。が、私にはそれらが貨物船ではないことが分かっている―囚人船だ。

私が握りしめているチケットは囚人船に乗るためのものである。そこに記されている番号は航海番号や席番号などではない。私の罪状を記号化したものであり、見る人が見ると私がどのような罪を犯したのか一目瞭然となっている。そして、罪人の私はどの船でもかまわないので乗らないといけないようだ。

意を決し紺色の大きな船に乗り込むと、係りの男が無表情で私のチケットを確認する。
「お前の罪は重い。刑期はかなり長くなるだろう。その間お前は一般人との接触は禁止だ。今から最後の電話を、お前がかけたい奴にかけろ。」

私は人を殺した訳ではなく、詐欺罪だ。面会も手紙も禁止される程ではないと思うのだが、罪人の私にそんなことを主張する権利などないようだ。罪は罪、罰は罰として受け入れるしかないのだろう。

私は最後の電話をマリリン・マンソンにかけた。何故彼の様なスターの電話番号を知っているのかわからない。そして彼も私の事を知るはずもない。

「Hello.」
電話に出たのは確かにマリリン・マンソン本人で、あの魅惑的な低い声だった。私は今から離島にある刑務所に行く囚人であり、最後に電話をする権利があったので、あなたに電話をしたのだと拙い英語で必死に伝えた。

「何故、最後に電話をかける相手が僕なのかわからないな。例え君が僕の熱狂的なファンだとしてもね。」
「あなたの日本公演には3度足を運びましたから、熱心なファンだとは思います。」
「でもあなたが話すべき相手はあなたのママだろう?何故、愛してるって伝えないんだ?」

そんな事はわかっている。ママには謝らないといけないことが山ほどあったし、愛していることはいくら言っても言い足りないぐらいだ。でも同じぐらいママには私に謝って欲しいことか沢山あったし、私の事を愛して欲しかった。しかし取り返しのつかない罪を犯した今、母と話すことはどうしても出来なかった。

「これが最後の電話だから君はママに電話をするチャンスを失った訳だ。しかし、僕はファンを大事にする人間なんでね。うん、君がママの事を思ってるってことを僕から伝えてあげるよ。」

受話器を置いた私は泣き崩れ、もう会う事のかなわない母の事を思った。



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● COMMENT ●

あっという間に年の瀬ですね〜

小説のような現実のような不思議な気持ちになる夢ですね。
来年も楽しみにしています♪

本当にドラえもんがいれば、他人の夢劇場、、出してもらいたいです(笑)
今年一年ありがとうございました

Re: タイトルなし

ちま子さん
コメントありがとうございます。
私もちま子さんのブログを楽しみに拝見しております。
今年もよろしくお願いします♪


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プロフィール

ハヲルチア

Author:ハヲルチア
40歳で出産、老体にムチを打ちながら小さな息子と格闘中。現在派遣社員で翻訳の仕事をしています。主婦のつまらないひとりごと、奇妙な夢の記録、時々読書感想文、大好きなアートの話など―。

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