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2019-01

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Ozzyさんの孫  - 2016.01.04 Mon



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囚人船 - 2015.12.14 Mon

外国籍の大きな貨物船が次々と目の前を通り過ぎて行く。が、私にはそれらが貨物船ではないことが分かっている―囚人船だ。

私が握りしめているチケットは囚人船に乗るためのものである。そこに記されている番号は航海番号や席番号などではない。私の罪状を記号化したものであり、見る人が見ると私がどのような罪を犯したのか一目瞭然となっている。そして、罪人の私はどの船でもかまわないので乗らないといけないようだ。

意を決し紺色の大きな船に乗り込むと、係りの男が無表情で私のチケットを確認する。
「お前の罪は重い。刑期はかなり長くなるだろう。その間お前は一般人との接触は禁止だ。今から最後の電話を、お前がかけたい奴にかけろ。」

私は人を殺した訳ではなく、詐欺罪だ。面会も手紙も禁止される程ではないと思うのだが、罪人の私にそんなことを主張する権利などないようだ。罪は罪、罰は罰として受け入れるしかないのだろう。

私は最後の電話をマリリン・マンソンにかけた。何故彼の様なスターの電話番号を知っているのかわからない。そして彼も私の事を知るはずもない。

「Hello.」
電話に出たのは確かにマリリン・マンソン本人で、あの魅惑的な低い声だった。私は今から離島にある刑務所に行く囚人であり、最後に電話をする権利があったので、あなたに電話をしたのだと拙い英語で必死に伝えた。

「何故、最後に電話をかける相手が僕なのかわからないな。例え君が僕の熱狂的なファンだとしてもね。」
「あなたの日本公演には3度足を運びましたから、熱心なファンだとは思います。」
「でもあなたが話すべき相手はあなたのママだろう?何故、愛してるって伝えないんだ?」

そんな事はわかっている。ママには謝らないといけないことが山ほどあったし、愛していることはいくら言っても言い足りないぐらいだ。でも同じぐらいママには私に謝って欲しいことか沢山あったし、私の事を愛して欲しかった。しかし取り返しのつかない罪を犯した今、母と話すことはどうしても出来なかった。

「これが最後の電話だから君はママに電話をするチャンスを失った訳だ。しかし、僕はファンを大事にする人間なんでね。うん、君がママの事を思ってるってことを僕から伝えてあげるよ。」

受話器を置いた私は泣き崩れ、もう会う事のかなわない母の事を思った。



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ホラー人形とあたしの天敵 - 2015.11.22 Sun

あたしとママ友のマリちゃんはそれぞれの子供を電動アシスト自転車に子供を乗せ、隣町の子育て支援センターから一緒に帰っている。車通りの少ない住宅街の細い道が近道なので、そこを二列になっておしゃべりをしながら自転車をこいでいた。

「やだ、ハヲちゃんあれ何?」
自転車を停めて、マリちゃんは歩道の電信柱の下あたりを指差した。そこを見ると薄汚れた裸の人形が横たわっていた。手は片方がなく、もう片方はありえない方向を向いている。人形の毛はまばらに抜けており、睫毛がバサバサの目は「カッ」と大きく開きこちらを見据えている。メキシコはソチミルコのどこかにある島に祀られている恐ろしい人形にそっくりだった。

日は暮れかけて、辺りはすっかり薄暗くなっていたのだが人形は青白く照らされている。横の電信柱にiPadのようなタブレット立てかけられたおりそこからの光だった。タブレットではホラー映画のチャイルドプレイの動画が流されており、ちょうどあの恐ろしい人形のチャッキーが人間を血祭りに上げているところだった。

「わぁぁ。この映像と人形ってセットだよね。タチ悪すぎ。」
ハロウィンはとっくに終わっているし、誰がこんなことをしたのだろうか。この近くにあるアンティークショップの店主は少し変わっているという噂だが彼の仕業だろうか。

家に帰ると、私の家の一階が私の務めている会社の職場になっていた。二階にはハシゴで登らなくてはいけなくて、私は子供をおんぶして登り、自分のプライベートスペースに逃げ込んだ。

階下から同僚が私を呼ぶ声が聞こえた。臨時の電話会議があるらしく海外の現地スタッフも参加するので通訳をしてほしいとのことだ。職場で英語を話すのは私だけなので仕方なく階下に降りようとする。

すると、ハシゴにあたしの大嫌いな女性社員が登ってきた。私は彼女と仕事の繋がりがないので普段は余程の用事でもない限り話をすることはない。

「悪いけど、急いでるからそこをどいて下さい。」
私はそう言ったのだが、彼女は無視し無言でハシゴを登ってくる。私がいるところまで登って来たとたんに彼女は私の胸に顔を押し付けて泣き出した。無言でヒックヒックとしゃくり上げている。

「あのさ、話聞くからさ、泣かないで。」
私はうんざりしたのだが、泣いている女性を放っておくことはできない。ようやく泣き止み顔をあげた彼女の顔を覗き込むと、嫌なオバサンだと思っていた彼女が可愛い幼い女の子のように見えたー。

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以前、ブログで書いた挨拶しない感じの悪い女性社員のことだ。彼女は挨拶しないだけでなく、不愉快な思いをさせられた事が何度もあったので、私は彼女から思いっきり距離を置く事にしたのだ。

アイサツはハイセツよりタイセツ

私は昼食は一人で食べるし、元々彼女は挨拶しないんだから私が無視をしている訳でもない。席替えもあり私は自分の上司の近くの席に移動したのでますます疎遠になり、彼女の存在は私の中で無いのも同然だ。

だが、薄々気付いていた。彼女が抱える孤独に‥。さて、今後どうしていけば良いものか。夢にまで出るぐらいなので私も気になっていたのだろう。今までのことは水に流し、ここは私が大人になるべきなのだろうか。私は優しい声を彼女に声をかけてあげるべきなのだろうか。

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リゾートアイランド - 2015.10.12 Mon

私がその夏バカンスに過ごすことになったその場所は、旅行会社によるとまだ日本人が訪れたことのない小さなリゾートアイランドであった。レア度にミーハー心が動かされた私はその島で一夏を過ごすことにしたのだ。

上空から見たその島は緑の森だけでできておりビーチは見当たらない。ヘリコプターのはしごから降りたったその島は思っていたよりずっと小さかった。まず、島の端から端まで見渡せるのだ。島全体が森だと思っていたが、私が踏みしめる土地に木々はない。苔でもなく、草でもない、何か同一の植物でビッシリと覆われている。

歩くたびにその植物をグサグサと踏みつけるのだが、ボロボロと足元から崩れていく。何か見覚えのある植物だ。そうか、ブロッコリーだ。しかし島がブロッコリーで覆われていると言うよりも、この島自体が巨大なブロッコリーでできているように何故か直感で思った。

私は島の端まで歩いて行くのだが、島全体がグラグラと揺れており足元もおぼつかない。どうやらスーパーマーケットで売られているブロッコリーの形のまま巨大なサイズの島が海にポッカリ浮いているのではないかと推測される。

捕まるところもないし、足元も不安定なので今にも海原に放り出されそうであるが、なんとか島の端に立つことができた。そこから海を覗き込むと、島の周りの水深はかなり深そうであったが、驚異的な透明度である。

水面を通して見られたのは、鯉のようなどうみても淡水魚のような魚の群れが見えた。独特の生態系を持つエリアなのであろうか。目を凝らすと、深海に生息するキリガイという鋭角の鋭い形状を持つ貝が底の辺りで泳いでいるのが確認できた。

貴重な、実に非常に貴重な体験である。しかし、宿はどうなっているなか?食事はいったいどうすればいいのか?不安が渦巻きどこにも答えはないが、不思議と私に焦りはない。

場所は一変して、通学の電車の中である。私立のお嬢様学校に通う私は、前に座った学友にふいに尋ねられた。

「ハヲルチアさんは、この夏のバカンスはリゾートアイランドだったそうだけど、どちらでしたの?」

あのブロッコリー島をどう説明したら良いのかわからない私は、とっさに答えてしまった。

「プリンス・エドワード島でしたのよ。カナダのね。」

学友は大げさに手を口にやり小さく感嘆の声をあげた。

「あら、ハヲルチアさん素敵ね。名前は存じ上げますけど、どんな島ですの?是非お聞かせいただきたいわ。」

私はプリンス・エドワード島が「赤毛のアン」の舞台であったこと以外に何の知識も持ち合わせていない。むろん訪れたこともない。焦った私は、友人から聞きかじったことのあるカナダの観光地である島の話をさも自分が行った場所のように説明した。

「ハヲルチアさん、それは、ヴィクトリア島じゃなくって?オホホ。」

無理をしてお嬢様学校に通っている私の家庭状況を彼女は知っていたのだと思う。彼女の言い方は私が見栄を張って嘘をついているのだということを見透かしているようであった。

プリンス・エドワード島には行っていない。お金のかかる高いところは無理だ。しかし謎のブロッコリー島には確かに行ったということを私は彼女に説明したかった。

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えひこ - 2015.08.16 Sun

その人目をひくほど美人の彼女は、実家が私の家から歩いて五分ほどのところのお屋敷である。彼女が里帰り出産したので、たまたま私のお産の時、病院が同じで仲良くなったのだ。

私の息子と2日違いで生まれた彼女の息子は、母親そっくりでありまだ赤ん坊のくせに美少年の片鱗を見せつつあった。

私が一人で近所散歩中に彼女の実家の前を、通りかかった時、彼女が赤ん坊を抱っこして前方から歩いてきた。ああ、夏休みだし子どもを連れて帰省しているのだな、と思ったのだが、何だか様子がおかしい。

彼女の子どもは私の息子と同じく1歳8カ月のはずだが、彼女の腕に抱かれているその子はどうみてもやっと1歳ぐらいだ。

「久し振りだね!っていうかその子、S太くんちゃうやん。」
私が話しかけると、彼女は言った。
「従姉妹の子やで!この子のママが夏バテ気味やから私が代わりにあやしてるねん。」

髪がクルクルとカールしており、円らな黒目がとても可愛い顔立ちなのだが、妙に大人びており、あまり子供らしさがない。

「お名前何ていうの?」
「えひこだよ。」
「えいこ?」
「違う、違う。英語の英に、彦根の彦でえひこって言うねん。」
「へぇぇー。珍しいなぁ。それに女の子かと思うたわ。」

しばらく間があった後彼女は伏目がちの表情で言った。
「英彦のママもな、同じ名前でえひこって言うねんで。」

じゃあ、漢字で書くと英子なのかと聞こうとすると、質問する前に彼女が違う、英子じゃないと言った。

何だか気まずい空気が流れたので視線をそらすと彼女の実家のお屋敷が目に入った。明治末期から大正時代に建てられたであろうその立派な日本家屋には、人に畏怖の念を抱かせる威厳があった。彼女は関西弁で冗談を言うような気さくな女性であったが、それはキャラクターを演じているような違和感があり、その近寄りがたい美貌は、お屋敷が放つ雰囲気そのものであった。

旧家の風習など、庶民には理解できないようなことがあるのかもしれない。えひこの事は今後触れてはならないのだと、私は悟った。


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プロフィール

ハヲルチア

Author:ハヲルチア
40歳で出産、老体にムチを打ちながら小さな息子と格闘中。現在派遣社員で翻訳の仕事をしています。主婦のつまらないひとりごと、奇妙な夢の記録、時々読書感想文、大好きなアートの話など―。

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